「北京お土産話②」
 

 北京の特色料理だと言ったら、頭にすぐ浮んでくるのは北京ダックでしょう!こんがり飴色に焼かれ、肉は柔らかくジューシーで、味が濃く、脂っこいが飽きない美味しさが「天下美味」と称され、国内外で名をはせている。言い伝えによると、北京ダックの名の由来となった、当時、貴重な品種とされた北京カモは、今では世界でも最も優質の食用カモとなっている。

 北京ダックに使うアヒルは、北京市郊外、河北省を中心に特殊な方法で飼育されており、このアヒルのことも北京ダックと呼ぶことがある。早く、大きく、脂肪を多く蓄えた状態に育てるために、麦などの高カロリーの餌や配合飼料を口にくわえさせたパイプから胃に流し込んで、強制的に食べさせる。充填するような食べさせ方、もしくは、この方法で育てられたアヒルを「填鴨」(tiányā)と呼ぶ。この填鴨は体質が弱く、気温の変化や怪我への耐性が低い。ちなみに、中国では詰め込み教育の事を「填鴨式教育」(tián yā shi jiao yu)と呼ぶ。

 炉(窯)の中でパリパリに焼いたアヒルの皮を削ぎ切りにし、小麦粉を焼いて作った
「薄餅」(báo bĭng)または「荷葉餅」(hé yè bĭng)と呼ばれる皮に、ネギ(葱 cong 一声)、キュウリ(黄瓜 huang 二声 gua 一声)甜面醤(tian二声 mian四声 jiang四声)共に包んで食べるコース料理の場合は、残った肉の部位は肉料理に加工して食べる。骨のがらは白濁した「鴨湯」(yā tāng)と呼ばれるスープを作るのに用い、アヒルの舌が鴨湯の具材にされることもある。通常は皮、肉、骨の三点セットだが、水がき(鴨掌、ヤージャン、yāzhăng)は茹でて辛子と和えにし、肝臓は素揚げにして供される。このように、無駄なくアヒルの様々な部位を使用した料理のフルコースを「鴨全席」(yā quán xí)という。

                

 北京ダック専門店の中でも最も有名なのは「全聚徳」(quan二声 ju四声 de二声)だろう。北京ダックが北京観光のイメージ大使となる地位を位置づけた。「全聚徳」の創業者である楊全仁氏はもともと家禽類を営む商人であった。彼は集めた資金で「全聚徳」を開き、清朝の宮廷厨房で北京ダック担当をしていた料理人を招き、宮廷の「吊るし焼き」技術を用い、吊るし焼きタイプの北京ダックを民間に広めた。北京ダックには、吊るし焼きタイプと蒸し焼きタイプのものがある。明朝永楽期に創業した、蒸し焼きタイプの北京ダックで有名な「便宜坊」(pian二声 yi二声 fang一声)は、実は全聚徳よりも歴史があり、600年近くの歴史を有している。
 

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銀座・彩遊季